金剛寺

  金剛寺は曹洞宗の寺で、明応5年(1496)に中田安斉入道安行が開基したと伝えられ、寺名も安行が金剛経を信奉していたことに由来している。江戸時代、寛永19年(1642)三代将軍家光により御朱印十石を賜り、門派は十数寺に及んだ。堂宇は戦後縮小改築されたが、山門は約400年前に構築されたもので、桃山様式を取り入れた四足門で、市内最古の棟門である。また、墓地には県指定旧跡『安行植木開発の祖 吉田権之丞の墓』がある。権之丞は、若いときから草花や盆栽に興味を持ち、珍しい草木を集めてこの地に栽培したところ、土質・風土が適合し、その生育がよかったので、これらの苗木の育成に当たったという。権之丞の子孫である吉田家は、現在も安行地域で植木業を営んでいる。また、当山は、かつては僧侶修行道場の格式を持っていたが、現在では「お灸の寺」として広く知られている。