イェディクレ・ヒサール(城) 散策     2012.09.20
09.20
 本日は孫たちを幼稚園に送ったあと、ドライバーにカバタシュまでいってもらい、そこから市電でイスタンブール・ヨーロッパ側の玄関シルケジ駅に向かった。駅には多くの男たちが集まっていて何事かと思ったら、どうも日雇い労働者たちが職を求めて駅に集まっていたようであった。シルケジ駅から、イェディクレ駅まで各駅電車に乗るため、電車に近づいて来た男に、地図を示して、目的の駅に電車が止まるかを確認したらOKのサインだったので、客車に乗ろうとしたら、ポロシャツ姿の男が呼び止めて、ついて来いという手招きをした。訝しげながら、素直について行ったら、何と運転室に乗れというのだ。言われるままに運転室に入ったら、男は運転席に座って、しばらく機器を操作しているうちに、ベルが鳴って、この電車を運転し始めたのだ。この男は運転手だったのだ。まさか、運転席に乗せて走ってくれるとは、びっくりだが、大変嬉しかった。運転手は無愛想で何も話しかけて来ないが、わたしを日本人として好意的に迎えてくれたのであろうことは察しがついた。それにしても運転手は禿げあがって、相当な歳と思える。また、その服装はジーパンにTシャツである。イタリア映画「鉄道員」の主演・ピエトロ・ジェルミを思い浮かべた。長年、運転手をしてきた自信に満ちた様子が伺える。目的のイェディクレ駅に着いた。地図で指差して、確認したら、無表情でうなずいた。折際に握手をして、トルコ語でお礼を言いたかったが、失念して言葉がでない。お辞儀をしたら運転手は笑顔で応えてくれた。
駅から城(イェディクレ・ヒサリ)までは歩いて数分のところにある。ローマ時代に建設され、15世紀に修復されたようで中世の堂々たる城の風情である。城壁を登るが、手すりもなく、段数で55段もあった。その上にまた、30段ほどあるから、ビルの5階くらいに相当する高さに思えた。上がった城壁上の通路は石畳で、外側は厚い凹凸状の石壁になっているが、内側は何の防護柵もない。足を滑らせて、落下すれば、間違いなく即死である。しかし、ここからの眺望はまことに見事である。丘の先に、高層ビルが立ち並んでいるのが望める。イスタンブールの中心部なのであろう。アラフラ海が左程遠くないところに見渡せ、沿岸には大きな商船がいくつも浮かんでいた。大消費地イスタンブールへ送り込まれてくる荷物をたくさん運搬しているのであろう。また、ボスポラス海峡を登って、ロシアに向かう船も多いと聞く。海峡の通過を順番待ちしている船も多いのかもしれない。場内ではアクション映画の撮影が行われていて、しばし見学していたら、本番になり、止まってる乗用車の隣に、黒い乗用車が入ってきて横付けして、数十秒たっから、ダダーンという炸裂音がして、今まで止まっていた車の反対側運転席の窓が粉砕するシーンを目撃した。撮影後、近くに立ち寄って、監督や主役?思われるスターを間近で見られた。1時間半ほど散策した古城をあとに、近くのバス停から、次の目的地・ブルーモスク(スルタンアフメト・モスク)へ向かった。