通称「猿橋」と呼ばれる刎橋(はねはし)は、岸の岩盤に穴を開けて刎ね木を斜めに差込み、中空に突き出させるテコの原理で橋を支えている。その上に同様の刎ね木を突き出し、下の刎ね木に支えさせる。支えを受けた分、上の刎ね木は下のものより少しだけ長く出す。これを何本も重ねて、中空に向けて遠く刎ねだしていく。これを足場に上部構造を組み上げ、板を敷いて橋にする。この手法により、橋脚を立てずに架橋することが可能となる。
木造で現存する刎橋はない。山梨県大月市の「猿橋」は、鋼製の橋桁に木材を貼り付けて江戸時代の構造を復元している。猿橋では、斜めに出た刎ね木や横の柱の上に屋根を付けて雨による腐食から保護している。 |
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