2013年6月、第17回お江戸散策は天候が懸念されるなかでしたが、参加希望者の熱意から実施
することになりました。当日は朝から電車も遅延して、明大前駅への集合時間を10分ほど遅れて
散策へ出発でした。最初に訪れたのは明治大学和泉キャンパス。明大前駅の駅名は以前
「火薬庫前」という物騒な名前だったようで、江戸期は幕府の火薬庫があった所という。昭和9年
に明治大学がこの地の払い下げを受けて和泉校舎を建設した。以来79年間明治大学教養課程の
学舎として今日に至っている。大きなビルの学舎がいくつも建ちティータイムも近づいたので学生
食堂でひと休みすることとなり、現在の学生たちの素朴な様子を感じ取ることができました。
続いて、明大同様に払い下げを受けて、墓苑を建設した築地本願寺別院和田堀廟所に向かう
名刹の墓苑だけあり、多くの著名人が泉下でやすらかに眠っている。佐藤栄作、古賀正男、服部
良一,海音寺潮五郎 水谷八重子、樋口一葉、笠置シズ子等々。泉下の笠置さんには敬意を表し
て”東京ブギウギ”をハーモニカ演奏で供養しました。墓参をしている間に昼食時間が近くなった
ので甲州街道第一宿場であった下高井戸へ足を進めた。駅前商店街の一角に中華レストラン
チェーン店で定食を取ることとした。垂れの味も良く、十分腹ごしらえができました。
次は東急世田谷線に乗って、山下駅に向かう。住宅地の中を走る電車は、江ノ電を彷彿させて、
情緒があり、きれいな街並みを車窓から眺めても楽しめました。 山下駅から数分のところにある
成勝寺には、松尾芭蕉の弟子で、芭蕉を物心両面で支えたという杉山杉風の墓があり、墓碑に
刻まれた辞世句を読みながら、この徳のある人物を偲んで合掌。
この寺院から数分のところに足利将軍家の創建と伝わる曹洞宗寺院常徳寺がある。境内は欅や
楠の大木が所々に立ち、静寂に包まれていた。この寺院の門前の道は、比較的狭い道幅の府中
街道が走っていて、車が頻繁に往来している。この古道を東に数分いくと鬱蒼とした大木が茂って
いる古社世田谷八幡神社に出た。この古社では奉納相撲で豊作、凶作を占う慣習があって、今日
でも東京農大相撲部によって奉納相撲が行われているという。神社をでると、宮坂駅がそばにあり
踏切を越えて 100mほど行った所の左側に豪徳寺の巨大な石門が見える。
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