「池月」(いけづき:生月) ~ 源頼朝愛用の名馬
治承4年(1180)に源氏再興の挙兵をした源頼朝は、石橋山の戦いに敗れた後、海路安房(源頼朝上陸地)へ渡り、
千葉常胤、上総介広常らの武将を従えて鎌倉へと向かった。その途中、洗足池の畔に宿営し、諸将の到着を待ったという。
その折、どこからともなく野馬が飛来。その嘶く(いななく)声は天地を震わすばかり。
郎党が捕らえてみると、逞しい馬体は、青い毛並みで白の斑点を浮かべていたという。
突然、源頼朝の前に現れたこの野馬は、「池に映る月影」のようであったことから「池月」と名付けられ、頼朝の乗馬とされた。
これより前、源頼朝は、同じく「磨墨」(するすみ)も得ており、今また「池月」を得たことは平家征伐軍の「勝利の吉兆」である
として、征旗を高らかに掲げたという。
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