東漸寺
  東漸寺は臨済宗の寺院で、室町時代には関東十刹第七位を誇った名刹である。正安3年(1301)の創建で開山は蘭渓道隆の高弟 桃渓徳悟と伝わる。当山の梵鐘は、金沢山称名寺と同じ鋳物師、物部国光よって造られ、名鐘として知られている。広々とした境内の正面には典型的な禅宗様式の仏殿釈迦堂が建っており、堂内には、鎌倉時代の作で、運慶風の特色がある本尊の薬師如来座像が安置されている。仏殿は同じ様式で著名な円覚寺舎利殿より古くて壮大である。また、本堂には無学祖元ら鎌倉五山の僧が来遊して杉田の勝景を詠んで、徳悟が筆した詩板が残されている。