〇 宝憧院は医王山東光寺と号し、真言宗智山派に属する寺、本尊は薬師如来像です。
寛正2年(1461)宥鎮(ゆうちん)和尚によって開山され、約150年後に宥意(ゆうい)和尚が中興しました。「新編武藏国風土記稿」 には、川口の錫杖寺(しゃくじょうじ)の末寺として記され、慶安2年(1649)に三代将軍家光から十石の年貢・課役免除の朱印を付されたことが記されています。明治維新後の神仏分離まで赤羽八幡神社の別当寺でした。院前の道しるべは、江戸中期につくられたもので、「東 川口善光寺道、日光岩付道」「西 西国冨士道 板橋道」「南 江戸道」と刻まれています。この地が交通の要所であったことがわかります。かって、この寺は、浮間村西野(現在より5キロ上流)にありましたが、荒川の氾濫による洪水を避けて、当地に移転してきました。
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