待乳山本龍院 (聖天)

本龍院本殿 二股大根と巾着紋(無病息災、夫婦和合を象徴) 

待乳山本龍院(聖天)における信仰内容は、日本の密教的な聖天信仰の中でも非常に深く、かつ独特な側面を持っています当院のご本尊:大聖歓喜天(だいしょうかんぎてん)と言います
起源はインドの象頭神「ガネーシャ」。日本では仏教(密教)に取り入れられ、歓喜天または聖天として信仰されています
夫婦一対の神として祀られ、二尊が抱き合う「双身歓喜天」で秘仏とされています。聖天さまは「欲望を肯定し、清め、成就させる仏神」とされ、多くの現世利益をもたらすと信じられています。

主なご利益:
(願いごと)                  (内容)

商売繁盛                     財運・事業成功・店舗繁栄など
金運招来                     財宝を呼ぶ神としての信仰
夫婦和合                     男女の縁を結び、和合させる
良縁成就                     恋愛や結婚などの縁結び
厄除け・病気平癒           心身の毒を祓い、健康回復を助ける
受験・仕事成就              人生全般の「現世利益」を叶える

■ お供え物
聖天さまの信仰には、以下のような独自のお供え物が重要です。

(お供え )                     (意味・理由)
大根(だいこん)                   体内の毒を祓い、健康・夫婦和合の象徴。白くて丸い大根は聖天さまの慈悲の
                  象徴とされています。

巾着袋(きんちゃくぶくろ)      布袋(ほてい)     金運・財宝の象徴。巾着型のお守りなどが授与されます。
    ●大根は供養後に「お下がり」としていただくこともあり、「食べることでご利益が身に宿る」とされています。

■ 清浄な心が重要
・・聖天(しょうでん)さまはとても清浄を重んじる神格とされ、以下のような心がけが大切です。
・・欲深すぎないお願いをする
・・嘘をつかず、誠実な生き方をする
・・約束した供養やお礼参りを必ず果たす

■ 参拝作法の特徴
・・ 本尊は秘仏(非公開)で、直接見ることはできません。
・・ 願い事をする際は、** 神仏への約束(誓願) **と考え、真心で向き合います
・・ 成就したら、必ずお礼参りをすることが大切とされています。

■  聖天信仰の背景にある思想
・・ 密教的な思想に基づき、「欲望もまた悟りの道具となる」という考えがあります
・・ 聖天信仰は「人間の煩悩を否定せず、制御し、昇華して願いを叶える」

■ 待乳山
聖天
の信仰とは「願いを叶えてくださるけれど、真心と誠実な信仰を求める神」
  待乳山聖天は、ただ願えば叶うという甘い信仰ではなく、「自分の心を清め、誠実に生きることで
  神仏の加護を受ける
」という、強く深い信仰の在り方を教えてくれる場です。

  日本を代表する時代小説作家である池波正太郎 (1923年1月~1990年5月)は待乳山聖天宮(本龍院)の近くで生まれました。 江戸情緒の残る浅草で育ち、幼少期から芝居や講談、映画などに親しみ、江戸の人情や武士道、食文化などを巧みに描き出して、「池波文学」と称される独自の世界観を築きあげ、人気作家となりました。その功績を称えられ、2007年11月、待乳山聖天公園に生誕地碑が建立されました。池波正太郎は自身のエッセイに「大川(隅田川)の水と待乳山聖天宮は、私の心のふるさとのようなものだ」と記しており、小説の舞台にも待乳山聖天や近くの今戸神社、橋場などをたびたび登場させています。
代表的な小説には
・『鬼平犯科帳』(1967年〜)
  江戸幕府火付盗賊改方長官・長谷川平蔵(通称・鬼の平蔵)を主人公とした人気シリーズ。
  義理と人情、罪と赦しを描くヒューマニズムあふれる作品。
・『剣客商売』(1972年〜)
  老剣客・秋山小兵衛と息子・大治郎の親子の絆を軸にした、円熟した時代人情劇。
  老境の達観と江戸の粋が融合。
・『仕掛人・藤枝梅安』(1972年〜)
  表向きは鍼医者、裏では「仕掛人」として悪を葬る梅安の活躍を描く。
  ダークヒーロー的魅力と倫理の葛藤が特徴。